【ライブレポート】VSinger UTAMATSURI LIVE in Toyosu PIT 2026年8月22日

ライブ、歌枠レポート

こんにちは、おざたろうです。

VSinger UTAMATSURI LIVE in Toyosu PIT(以下、「UTAMATSURI」)のライブレポートです。

VESPERBELLとは?

VESPERBELLとは、ヨミとカスカの2人で構成されるバーチャルガールズロックデュオです。

2020年6月にデビューし、YouTube上でのオリジナル曲やカバー動画の投稿、配信、ライブ出演をメインの活動としています。
圧倒的な歌唱力を持つヨミの力強い歌声、まっすぐに響くカスカのハイトーンボイスの相性の良さが最大の魅力で、現地ライブではその歌声に加えて熱い煽りで会場を熱狂の渦に包み込むロックスタイルのパフォーマンスを得意としています。

概要

  • イベント名:VSinger UTAMATSURI LIVE in Toyosu PIT
  • 日時:2026年8月22日(土)
  • 会場:Toyosu PIT(豊洲)

背景

UTAMATSURIは、テレビ東京の番組である「THEカラオケ★バトル」の公式YouTubeチャンネルで配信された、VSingerによるカラオケバトル番組から派生したライブイベントです。

「THEカラオケ★バトル」には、VESPERBELLからはヨミが参加しており、それ以外にも今回のUTAMATSURIに出演したアーティストも多数登場し、しのぎを削りました。

YouTubeで公開された「THEカラオケ★バトル」

また、UTAMATSURIに出演したアーティストは全員、RK Musicまたは神椿に所属していたため、事実上のRK Musicと神椿のコラボライブとなりました。

さらに、本番に向けての企画をVESPERBELLが主催しており、参加アーティストを招いての凸待ち配信や、歌唱曲の一部を収録した予習用プレイリストの公開など、積極的にこのライブを盛り上げていきました。

凸待ち配信
予習用プレイリスト

セットリスト

罪十罰

トップバッターとして登場したのは、神椿から罪十罰でした。

“大罪”ではクラブミュージックのような身体でノれる音楽と、「天国地獄大地獄」というキャッチーなフレーズでUTAMATSURIの開演を告げたかと思えば、続く“アウフヘーベン”では緩急の激しいリズムを見事に歌って踊り抜きました。

MCでは歌唱中のクールな雰囲気から一転して溌溂とした可愛らしく和やかな雰囲気を見せましたが、最後の3曲目の“弔歌”が始まった途端に再度クールな雰囲気を纏わせました。

安定感のあるハイトーンだけでなく、吐息すらも表現に変えてみせ、技術の詰まったパフォーマンスで全3曲を歌い切りました。

心世紀

罪十罰に続けて登場したのは、同じく少女革命計画の心世紀です。

巧みなステップを駆使しながら“雑凡帖”のハイトーン・ハイテンポ部分を、“Ephemeral”では疾走感のある軽快なリズムを見事に歌い上げました。

最後となった3曲目の“フェイクナイトシンデレラ”ではラスサビの盛り上がりがまさにクライマックスでした。
息の合ったダンスからロングトーンまで、あらゆる技術で輝きを放ちました。

最後には、「ありがとうございました。心世紀でした!」と挨拶をし、拍手に包まれながら退場しました。

VESPERBELL

一閃

VESPERBELLは3番手として登場しました。

おそらく多くのファンが想像していたよりも早めの登場となったVESPERBELLは、選曲でも観客に驚きを与えました。

イントロが流れ始めた瞬間に多くのファンが驚きの声を上げた“一閃”は、テレビアニメ「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」のオープニング曲であり、今回がライブで初めての披露となりました

“一閃”は、VESPERBELLがWarner Music Japanに所属していた時にリリースされた楽曲であることから、Warner Music Japanを離れた今、権利上の懸念からライブでの歌唱は敬遠されていました。
その中で、今回のUTAMATSURIでついに解禁となり、まさに満を持してのお披露目となりました。

非常にシリアスな雰囲気を醸し出しながら、深みのあるヨミの歌声と、真っ直ぐに響くカスカの歌声という対照的な歌声を響かせました。
サビで2人の声が重なってひとつの歌声となる構成はVESPERBELLの王道パターンですが、“一閃”のようなじっくりと聴かせる味わい深い曲ではこの強みが特に活かされます。

特にBメロでのヨミのハモりの質が高く、カスカの歌声を際立たせながら、サビにかけて急激にカスカと歌声を重ねていく歌い方は観客を惹き込む魅力に溢れていました。

Revelation

その後も、意外な選曲が続きました。

2曲目に歌われた“Revelation”は、2025年の2ndワンマンライブ「RUMBLING」でメドレー形式で歌われましたが、2人でのフルでの歌唱は2024年の4周年記念ライブ「Noise in Silence」以来、現地ライブに絞ると2023年の1stワンマンライブ「RAMPAGE」にまで遡ります。

過去に2人で歌唱した際の歌声と比較すると、ヨミの歌声の柔らかさや、カスカの高音の美しさが目に見えて向上しており、VESPERBELLの楽曲としては特異的である穏やかな世界観を見事に表現しました。

また、サビでの「ほら顔をあげてさ」の部分では、過去のライブで2人が左手を上げてから横に広げる動作を合わせていたのが印象的でしたが、今回もヨミは同様の動作を見せており、過去から見ているファンにとっては嬉しい演出となりました。

かつて”Revelation”を歌唱したときと同じタイミングで同じような動作を見せるヨミ

Trust Me

意外な選曲シリーズの極めつけは、“Trust Me”でした。

「豊洲PIT、まだまだ声出す元気ありますか~?」「めちゃくちゃいい感じです!ここからギア上げていくよ!」というこのライブ一発目の2人の煽りが炸裂し、客席では拳とペンライト、そして歓声が上がりました。

VESPERBELLが“Trust Me”を歌唱することは非常に珍しく、過去にライブで披露されたのは2ndワンマンライブ「RUMBLING」の一度のみでした。

そのようなレアな楽曲である“Trust Me”ですが、ヨミとカスカによる明確な煽りによって客席では一体感のある声とともに拳が掲げられ、会場の雰囲気が一変しました。

リリースされている音源では基本的にサビがユニゾンですが、UTAMATSURIでは1,2サビでハモ、ラスサビでユニゾンの構成となっていました。
この構成は「RUMBLING」でも同様でしたが、UTAMATSURIでは特にカスカのハモりに磨きがかかっていました
ヨミの歌声にそっと寄り添いながらも、完全に引くのではなくしっかりと共鳴させるさじ加減が絶妙であり、歌声の完成度を見事に引き上げました。

MC

3曲を連続で歌った後のMCでは、「豊洲PIT元気ですか~!」とヨミが問いかけ、観客からの大歓声に会場が包まれました。

今回は神椿とRK Musicとの合同イベントということで、2人は簡単な自己紹介を行った後で、ここまで歌ってきた3曲についての話題に移りました。

今回のセットリストは「アンニュイな要素にしてみた」とのことで、まさにその通りにVESPERBELLの歌唱力を存分に浴びることができる楽曲が続いてきました。
そして、一曲目に歌唱した”一閃”はライブでの初歌唱となったことにも言及しつつ、「ここからはたくさん体を動かして、たくさん声を出して楽しんでください!」というヨミの言葉が続き、いよいよ盛り上がりパートに入っていきました。

VISIONS

続いて歌唱された“VISIONS”は、カスカによる落ち着きのある入りから、途中でヨミが加わることで歌声の厚みが一気に増し、サビで最高潮に盛り上がる緩急が見事に決まりました。

さらにそれに加え、途中のシャウトやデスボが強烈であり、特に今やVESPERBELLを象徴する要素の一つであるカスカのデスボが、会場を一気にロックの雰囲気で包んで観客の心を完全に掴みました

強烈なデスボを披露した直後にも関わらず、涼しい顔で歌い続けるカスカ

ラスサビではヨミとカスカによるユニゾンが届けられ、Toyosu PITの空気を力強く震わせました。

MACH

VESPERBELLの出番の最後を飾ったのは、現在のVESPERBELLの名刺代わりとも言える“MACH”でした。

リリース以来あらゆるライブで歌われてきただけあり、イントロが流れた瞬間から会場の盛り上がりのギアが数段上がり、これまでの4曲とは比較にならないほどの声量が会場に響き渡りました。

曲が始まって早々、観客を巧みに煽って完全に会場を掌握するヨミ

Aメロからヨミとカスカの歌声にも力がこもり、この歌声がファンの心をより熱く滾らせました。

そしてサビではVESPERBELLの最大出力が発揮され、まさに「This is VESPERBELL」と言わんばかりの圧倒的熱量、驚異的な盛り上がりを生み出しました。

その中でも、誰一人置いていかない煽りが徹底されていて、全員で作り上げる最高の“MACH”が完成しました

「以上、VESPERBELLでした!」「ありがとうございました!」と言葉を残し、割れんばかりの大歓声と拍手の中でVESPERBELLは出番を終えました。

春猿火

VESPERBELLが生み出した熱量を生み出した引き継いで登場した春猿火は、“Deep Invite”を疾走感ある歌声で歌い上げ、“SWIPE!”ではステージ全体を広く使いながら可愛らしい歌声で会場をポップな雰囲気に包み込みました。

MCの後には、ライブでは初お披露目となった“Accomplice”を歌唱し、またしても雰囲気を一変させて魅惑的な纏わせた歌声で観客を魅了しました。

“META”では力強い歌声だけでなく、ラップやロングトーンの質が高く、背後に映るMVも神椿ならではのクオリティの高さであり、全ておいてハイレベルなパフォーマンスを披露しました。

NEUN

自身のデビュー曲である“Engelslied”を歌唱し、荘厳な雰囲気で会場を塗り替えたNEUNは、続く“Funeral”では儚さと美しさが共存した歌声で独自の世界観を表現しました。

MCでは、「こんにちはぁ~」と、かなり緩い感じで入り、「音楽を浴びて熱い気持ちになって、なんか良い感じで帰っていただけたらなと思います」とこれまた緩い感じで話しました。

その後、最後の3曲目で歌唱した“ブルーダイバー”では、心地よく聴き入ることができる優しい歌声で会場を包みました。

焔魔るり

続いて登場した『歌の紡ぎ手』焔魔るりは、“Calling”で持ち前の物語性のある表現を見せつけ、いきなり観客を圧倒しました。

2曲目の“その刹那、焔につき”、そして3曲目の“呪り -inori-“はまさに焔魔るりの真骨頂でした。
眼前にひとつの物語が展開されていくかのような圧巻の表現力で会場を飲み込みました。

MCもそこそこに、最後の曲として歌った“Hope Song”は明るい未来への望みを綴るような暖かい歌声で会場を包み、練り上げられた自身の表現を遺憾なく発揮しました。

KMNZ

ここで登場したKMNZは、“WANTED”でHIPHOPの世界に切り替えてみせました。

その後、“GROWL”で治安悪目な雰囲気を纏わせ、“FREELY”では腕を振りながら楽しくノることができる雰囲気を作り上げました。

続いて歌唱した“POSSE”ではラップもしっかりとキめ、客席から「POSSE!」と非常に大きな声も上がりました。

そして最後には、これまでのKMNZのライブを熱く盛り上げてきた曲である“DROP IN”を歌唱しました。
KMNZの3人が観客を見事にノせた結果、観客全員で叫んで跳び、熱狂的な盛り上がりを生み出しました。

幸祜

続いて登場した幸祜は、登場して早々に“Phantom”でステージ全体を使いながら巧みなダンスも披露しました。

その後、疾走感と力強さ溢れる歌声で“ミラージュコード”を歌い、3曲目は“シャングリラ”は優雅でありながら感情を届けるような情熱的な歌声で歌い上げました。

MCでは天真爛漫かつ緩めの人間性を見せつつ、「最後まで全力で楽しんでいきましょう」と話し、次の曲に移りました。

MC後の4曲目では、これまでの3曲とは打って変わって非常にエモーショナルな“オレンジ”を歌唱しました。
最後の5曲目には新曲である“共回線”を披露し、ロックサウンドに乗せた疾走感のある歌声で、自身の表現力の幅の広さを証明しました。

MEDA

先に登場したNEUNの同期であるMEDAが登場し、NEUNと同様、デビュー曲である“Sing-ularity”を歌唱しました。
自身の歌唱力の高さがふんだんに詰め込まれた流麗で美しい歌声で観客を魅了した後に、バラード曲である“覚醒.exe”を披露し、今日このフェスで出会えた観客への感謝を伝えながら、会場を感動的な空気に変えました。

“覚醒.exe”の余韻が残る中で、「MEDAに洗脳されてしまえ~!」という言葉とともに歌唱した“染脳”は、観客を巻き込みながら歌おうとするMEDAの想いに呼応するかのように、サビでは客席から「洗脳!洗脳!」と声が上がり、最後まで自身の生歌の美しさを印象付けました。

空爽

続いて登場した空爽は、清らかな心地よい高音で“透明流星ラプソディ”を歌唱しました。

MCでは簡単な自己紹介を行った後、2曲目に歌った“トクベツな予感”では、自然と身体が左右に動くような何となく懐かしさや馴染み深さを感じさせる独特なメロディーを届けました。

ラストの3曲目の“走れシュガー”では、夏空のような爽やかな透明感で会場を包みました。
サビではCIELとSoodaが軽く走りながらポジションを入れ替える動きが特徴的で、初めての現地イベント出演とは思えない息ピッタリのパフォーマンスを見せました。

HACHI

RK Musicアーティストの最後を飾ったHACHIは、穏やかな歌声で“Dusk”“Deep Sleep Sheep”を歌い上げ、温かく心地よい空気に会場を染め上げました。

続く“Rainy proof”では空しさや寂しさを伴う美しさを表現して会場の湿度を上げたかと思えば、“fragment”では消え入るような歌声からのサビでの壮大な歌声を巧みに使い分け、観客を圧倒しました。

「次でHACHIのターン最後の曲」と語って歌った5曲目の“Before anyone else”では、前曲の”fragment”を超える壮大さで会場を感動で包み込み、RK Music屈指の実力と実績を持つアーティストとしての力をしっかりと発揮しました。

理芽

UTAMATSURIの大トリと務めたのは、神椿の理芽でした。

まずは自身最大のヒット曲の“食虫植物”を可愛い歌声で歌ったかと思えば、続く“ノマネ”では独特の世界観のあるMVを背に、摩訶不思議な世界に観客を誘いました。

“きみが大人になったんだ”や、リリースしたばかりの新曲の“ハウメニ”では、都会的でありながら不思議さもある歌声で会場を満たしてみせました。

最後に歌った“ピルグリム”では、理芽の世界観をそのままに、客席からクラップが上がる一体感を生み出し、UTAMATSURIの最後を盛大に飾りました。

全ての曲を歌い終え、「またどこかでお会いしましょう、理芽でした」と話し、UTAMATSURIの幕を下ろしました。

UTAMATSURIでVESPERBELLが気になった方へ

今回のUTAMATSURIでは、VESPERBELLが持つ「歌声をじっくり聴かせる魅力」と「会場を熱狂させるロックライブとしての魅力」の両方が詰め込まれていました。

今回のセットリストの中でも、”一閃”や”Revelation”、”Trust Me”といった、ヨミとカスカの対照的な歌声が重なり合う美しさを味わいたいなら、“ignition”“Imperfect”もオススメです。

そして、”VISIONS”や”MACH”のような、VESPERBELLのロックライブとしての熱量を体感したいなら、“NO MORE!!”“Bell Ringer”も是非聴いていただきたいです。

今回の5曲は、VESPERBELLというデュオの魅力を知るための入口としても非常に良いセットリストだったと思います。

この記事をきっかけに少しでもVESPERBELLが気になった方は、ぜひこれらの楽曲含め、YouTubeの動画にも触れてみてください。

終わりに

UTAMATSURIのライブレポートでした。

RK Musicと神椿という、実力派アーティストを多数抱える事務所同士の初のコラボイベントとなった今回のライブでは、ファンの期待を上回るボリュームとクオリティが発揮されました

歌いながら踊ることの多い神椿に対して、歌唱に専念するRK Musicといった点といった、事務所ごとの違いも楽しみつつ、それぞれのアーティストの個性を知ることのできる非常に贅沢なイベントとなりました。

その中で、VESPERBELLは最近のメイン路線であるロックではなく、敢えてアンニュイな雰囲気で歌声を聴かせるスタイルを久々に押し出してきました
この意外性に富んだ選択によって”一閃”が初披露され、”Trust Me”や”Revelation”といった曲も久しぶりに歌唱されたりと、「圧倒的な歌唱力」「デュエットの完成度の高さ」といったVESPERBELLの魅力を改めて感じることができました。

現在のVESPERBELLにとっては、今志している「ロック路線」こそが進むべき道であることは間違いありませんが、それ以外の魅力も見せてくれるのはファンとして非常に嬉しいですし、VESPERBELLの歌声がより多くの人の耳に届くためにも重要なことであると考えます。

そういった意味で、今回のUTAMATSURIは非常に重要で貴重なイベントになったはずです。

これからも、VESPERBELLが持つあらゆる魅力がより広く知れ渡っていくことを願っています。

ozataro

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