こんにちは、おざたろうです。
「ZONe ENERGY IMMERSIVE MUSICA -The 2nd Phase-」(以下、「ZONeライブ」)についてまとめます。
概要
- イベント名:ZONe ENERGY IMMERSIVE MUSICA -The 2nd Phase-
- 日時:2025年8月1日(金) 開演20:00
- 会場:Z-aN
背景
「ZONeライブ」とは、まさにその名の通りエナジードリンクのZONeによるライブイベントで、
YouTubeでオリジナル曲や歌ってみた動画を投稿している、ZONeエナジーアンバサダーの「ぞん子」とゲストのシンガーが出演しました。
実は「ZONeライブ」は以前にも開催されており、過去のライブではVESPERBELLと同じくRK Music所属のHACHIと、KAMITSUBAKI STUDIO所属の幸祜が出演していました。
今回は、それに続いての2度目の開催という位置付けで、ヨミとVSingerのsomuniaがゲストとして出演することになりました。
「ZONeライブ」では、『シームレスカメラスイッチング機能』を採用しており、音を途切らせることなく4つのアングルのカメラを視聴者が自在に切り替えることができます。
これによって、特定のアングルに注目したり、目当てのアーティストメインのアングルに固定するなどして自由にライブを楽しむことができます。
ソロ歌唱では、巧みなカメラワークを見せたメインカメラに加え、正面や斜め、さらには引きのアングルからの固定カメラの映像を楽しむことができました。
また、コラボ歌唱の場面では、各アーティストを正面から映したアングルを選択できました。
このように、視聴者の没入感を高めるためのあらゆる趣向が凝らされたライブが「ZONe ENERGY IMMERSIVE MUSICA -The 2nd Phase-」です。
セットリスト
今回のセットリストは以下の通りです。
- Dive into the ZONe / ぞん子
- HERO / ぞん子
- ダイダイダイダイキライ / ぞん子
- Stream / somunia
- Unstep / somunia
- Twinkle night / somunia
- Dreamin’ Tea time / ぞん子、somunia
- Dear / ヨミ
- Revelation / ヨミ
- メイビス / ヨミ
- 羽化 / ぞん子、ヨミ
- KeT-BASS / ぞん子、somunia、ヨミ
1曲目:Dear
ぞん子、somuniaに続いて登場したヨミがまず最初に歌ったのは”Dear”でした。
”Dear”といえば、VESPERBELLのオリジナル曲としては珍しいヨミのソロ曲です。
”Dear”はファンであるBELLSや相方のカスカに向けたメッセージ性の高い曲でもあるため、曲に込められたヨミの想いも含めてファンの間で非常に人気の高い楽曲です。
その一方で、”Dear”はAメロの低音からサビの高音といった音域の広さ、そしてブレスのタイミングなど、あらゆる技量が要求される非常に難易度の高い曲です。
それもあってか、これまでのライブでは2022年の「革命」と、2023年の「RAMPAGE」でしか歌われていませんでした。
現にヨミ自身も“Dear”のイントロを『地獄のイントロ』と称したりと、本人も非常に難易度の高い曲と認識しているようです。
そのため、今回の「ZONeライブ」で”Dear”が歌われたのは一つのサプライズとなりました。
それほどまでに難しい楽曲である”Dear”を、ヨミは最高にかっこよく歌い上げてくれました。
過去にライブで歌われた”Dear”と比較しても呼吸や歌声の安定感が向上しており、歌っているときの余裕すら感じることができました。
特に圧巻だったのはラスサビです。
終盤になればなるほど音程が高くなっていく中で息切れすることも声が裏返ることもなく見事に歌いきるヨミの力強く、圧倒的な歌声はまさしくヨミがヨミである所以と言えるでしょう。
難しい曲の難しい箇所を最高の歌唱力で歌いきることができるのがヨミの真骨頂であり、かっこよさであり、美しさです。
自身の持ち味を十二分に発揮するヨミの姿から、ヨミの歌唱力の高さを改めて実感すると共に、彼女の普段の弛みない努力を感じ取ることができました。
2曲目:Revelation
続けてヨミが歌ったのは、”Revelation”でした。
ロック調の曲が多いVESPERBELLのオリジナル曲の中で”Revelation”はかなり特異的な位置付けとなる曲調ですが、摩訶不思議で美しい曲の世界観に没入することができ、VESPERBELLの魅力である表現力や歌唱力を感じることができます。
もともとはヨミとカスカによるデュエット曲ですが、今回はヨミのみの出演ということでヨミによるソロ歌唱となりました。
これまでのライブは基本的にヨミとカスカがセットで出演していたため、今回の”Revelation”がVESPERBELLのオリジナルデュエット曲の中で初めてソロで歌われた曲となりました。
先ほどの”Dear”でのかっこいい歌声とは打って変わり、”Revelation”ではヨミの歌声の美しさが際立ちました。
Cメロでの高音など、ヨミの歌声の透き通るような美しさに惹き込まれると同時に、曲に沁み入るようなヨミの優しげな表情にも目を奪われました。
昨年から実装された新衣装では表現できる表情が増えたことによって、ヨミとカスカの心情まで鮮明に感じ取れるようになり、2人の表現がより直接的に視聴者に伝わるようになった点もファンとして非常に嬉しく感じます。
本来のデュエットver. での、ヨミとカスカの対照的な歌声による”Revelation”も素晴らしいですが、今回はヨミのソロ歌唱であることによって、ヨミの優しくて柔らかい歌声を堪能することができました。
3曲目:メイビス
3曲目の”メイビス”は、相方であるカスカが作詞した、カスカのオリジナルソロ曲です。
これまで、ヨミは配信で数回ほど”メイビス”を歌ったことがありましたが、もちろんライブでヨミがこの曲を歌ったのは初めてでした。
そのため、”メイビス”を歌い始めた瞬間にはコメント欄でもファンから驚きの声が上がりました。
“Dear”での「かっこいいヨミ」、”Revelation”での「美しいヨミ」に続いて、”メイビス”では「可愛いヨミ」が溢れるパフォーマンスとなりました。
VESPERBELLは基本的に「かっこいい担当のヨミ」と「可愛い担当のカスカ」といった役回りであり、全く正反対の性質を持つ二人による相性100%のデュエットを最大の持ち味としています。
事実として、ヨミの力強さと表現力を存分に活かした歌声のかっこよさは際立っているため、ヨミをかっこよく魅せることがVESPERBELLの方向性として最適解であることは間違いありません。
一方で、「ヨミ」という人間は思いやりがあって愛情深く、さらに感性豊かで非常に人間味溢れる可愛らしさを有しており、そこが大きな魅力でもあります。
普段の収録やライブでもそのような一面が垣間見えることは幾度となくあったものの、この一面を前面に出すことは殆どありませんでした。
その一方で今回の「ZONeライブ」ではヨミの単独出演というイレギュラーな状況であったことに加え、”メイビス”という可愛さ溢れる曲の歌唱ということもあり、「かっこいいヨミ」に縛られずに歌うことができているようでした。
曲の振り付けを踊るかのように身体を動かし、微笑みながら歌う姿はこれまで見てきたどのヨミよりも可愛らしく、歌うことを楽しんでいる純粋無垢なヨミの姿が強烈に脳裏に焼き付きました。
また、ヨミが”メイビス”を歌ったという事実にもファンとしては大きな意味がありました。
”メイビス”の歌詞では、『不安だって泣いた今日を笑って』『不安で笑えないときもあるよね』といった表現にも出ているとおり、自身の不安な感情を覗かせつつも、曲終盤では『先の見えないこんな暗い道でも 不思議だなキミがいるそれだけで 強く優しくなれるの』と、道標となる存在とともに歩んでいくカスカの決意を覗かせています。
この歌詞は、事あるごとに『ヨミちゃんは凄い』『ヨミちゃんに見合う相方になる』と言っているカスカの姿に重なるものがあります。
さらに、”メイビス”と言う曲名は、非常に美しい鳴き声で鳴くことで有名な「ウタツグミ」という鳥を表す英単語”Mavis”から来ていると考えられます。
これは、最高の歌声を持つヨミをイメージしたものであると考えても何ら違和感はないでしょう。
あくまで推測に過ぎませんが、以上から、『自身の憧れであり、道標であるヨミ』をイメージしてカスカが作った曲をヨミ自身がライブで歌うという状況は非常に感慨深いものでした。
このときのヨミ本人の感情は本人にしか分かりませんが、ヨミは穏やかで優しげな笑顔を見せながら、柔らかく非常に聴き心地のよい歌声で”メイビス”を歌いました。
優雅な朝日を彷彿させるステージの暖色のライティングも絶妙で、日頃からファン一人一人と向き合っているヨミの優しさを象徴しているようでした。
『可愛さ100%のヨミ』という、なかなか見ることのできないヨミの姿を見ることができた貴重な一曲でした。
4曲目:羽化
ヨミが”メイビス”を歌い終えた後にぞん子がステージに再登場し、ヨミとぞん子によるコラボが実現しました。
二人が歌った”羽化”は過去にRK Musicの後輩であるNEUNが自身の誕生日ライブにてカバーしていましたが、VESPERBELLとVESPERBELL以外のアーティストがデュエットで歌うのは今回が初めてでした。
まるでボーカロイドのような高音に強みを持つぞん子の歌声に対して、ヨミは先刻までの穏やかな歌声から一転し、聴く者を惹き込む力強さと深みのある歌声を披露しました。
ファンにとっては”羽化”でのヨミの歌声の方が馴染みがあるとはいえ、ヨミの歌声を使い分ける能力には驚きを隠せません。
「高音」といえばカスカが思い浮かびますが、カスカと比較するとぞん子は鼻から発声するような歌声が特徴的であり、同じ高音でも性質が全く異なるようでした。
そのようなカスカとは性質が異なる高音のアーティストとのデュエットでも、ヨミはブレることなく「ヨミらしさ」をしっかりと表現しました。
なお、ヨミは通常通りヨミのパートを、ぞん子はカスカのパートを担当していましたが、通常ではステージ下手側に立つヨミが今回は上手側に立って歌っているというレアな光景を見ることができました。
5曲目:KeT-BASS
一度ヨミとぞん子がステージから退場した後に、今回の出演アーティストであるヨミ、ぞん子、somuniaの3名が揃ってステージに登場し、ライブを締めくくる”KeT-BASS”を3人で歌唱しました。
”KeT-BASS”とはぞん子のオリジナル曲であり、ZONeを飲んだ後のようなシャキッとした覚醒感を呼び起こしてくれる、耳に残る曲調と歌声とEDMサウンドが特徴的です。
ぞん子の目が覚めるようなハイトーン、somuniaの可愛らしい歌声、そしてヨミのかっこよく力強い歌声が立て続けに切り替わり、そして組み合わさるパフォーマンスは刺激的な疾走感に溢れており、聴いていて今すぐにでも走り出したくなる衝動に駆られました。
ラスサビ前の間奏では中央でぞん子が音楽にノって拳を高く突き上げている傍で、ヨミとsomuniaはロボットダンスを披露するという不思議な一幕もありましたが、そういったシーンからも、今回のコラボが出演者の3人にとって非常に有意義で楽しい時間になったことが伝わってきました。
最後は3人揃ってカメラに手を振り、「ZONeライブ」は無事に幕を閉じました。
終わりに
「ZONe ENERGY IMMERSIVE MUSICA -The 2nd Phase-」のライブレポートでした。
VESPERBELLの活動の歴史上でも珍しい、ヨミが単独で出演した外部ライブであったこともあり、ヨミの魅力がふんだんに詰め込まれたライブとなりました。
もちろん、VESPERBELLの最大の魅力はヨミとカスカの歌声の相性の良さですが、今回のライブのようにどちらかにフォーカスしたライブもひとつのVESPERBELLの楽しみ方だと感じました。
今回、やはり最も印象的だったのは、曲ごとに巧みに表現を切り替えるヨミの器用さと表現力です。
「かっこいいヨミ」、「美しいヨミ」、「可愛いヨミ」と、自在に自らの表現を使い分けるヨミの技術の高さをここまで鮮明に見て感じることができるライブはこれまでにありませんでした。
どんな曲でも歌え、どんな表現でもできるヨミ。今回のライブを機にヨミのそのような魅力を改めて実感することができ、ヨミというアーティストがますます好きになりました。
ozataro
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