こんにちは、おざたろうです。
VESPERBELLが出演した「NIGHT HIKE Mid 2025 supported by ジンドゥー」(以下、「NIGHT HIKE」)のライブレポートです。
概要
- イベント名:NIGHT HIKE
- 日時:2025年8月24日(日) 開演13:30(VESPERBELL出演は17:25~18:10)
- 会場:Sportify O-EAST, duo MUSIC EXCHANGE, WOMB, clubasia(VESPERBELL出演はclubasia)
概要
「NIGHT HIKE」とは、主にグラフィックデザインを活動の中心としているTRIBALCON.が主催する音楽イベントです。
『夜間に山に登ったりハイキングをして、普段見る昼の景色との違いを楽しむ行為』を表すナイトハイクのように、日常的にネットを介して触れている音楽やイラスト・映像などを現地で感じ、普段と異なる魅力を楽しむ事をコンセプトに掲げています。
「NIGHT HIKE」は2023年8月に第一回が開催されて以来、都内以外にも名古屋や京都、そして大阪といったあらゆる都市でも開催されている歴史あるイベントです。
今回はSportify O-EAST, duo MUSIC EXCHANGE, WOMB, clubasiaの4会場によるサーキット型での開催となり、VESPERBELLはclubasiaでのパフォーマンスが予定されていました。
セットリスト
「NIGHT HIKE」でのセットリストは以下の通りです。
ステージのスクリーンに巨大なVESPERBELLのロゴが映し出された直後、ヨミとカスカによる”鳴動”の歌唱が始まりました。
EP「RUMBLING」の1曲目に収録されているこの曲は、ライブの1曲目としても非常に適性が高く、頭サビでのヨミとカスカの力強い歌声と豪快なバンドサウンドが会場の熱量を一気に引き上げました。
カスカによる「クラップ!クラップ!」という声掛けによってAメロからクラップが会場全体で揃っただけでなく、1サビ、2サビ、ラスサビ後の全ての間奏で客席からの「おい!おい!」と非常に大きな声が上がり、1曲目とは思えない程の盛り上がりを見せました。
続く2曲目の”Imperfect”では、終始ヨミとカスカによる歌声のかっこよさが際立ち、会場を席巻しました。
それだけでなく、サビではヨミによる「跳べ!」の一言によって全身を使って跳びながら2人のハモりを聴くことができました。
素晴らしい熱気に包まれる会場の中で最高にクールな2人の歌声が響き、このギャップも非常に印象的でした。
3曲目の”羽化”では直前までの熱量から一変し、ダークな雰囲気が会場を包み込みました。
盛り上がる曲が披露されることの多いクラブイベントにおいて、”羽化”のような観客がクラップや声を出す要素のない曲はかなり特異的な選曲と言えます。
現に、VESPERBELLがクラブイベントで”羽化”を歌ったのは今回の「NIGHT HIKE」が初めてでした。
そのような挑戦的な選曲でしたが、2人は持ち前の力強い歌声と完成度の高いハモりを響かせ、観客全員がその歌声に聴き入りました。
3曲を立て続けに歌いきったところで、この日最初のMCとなりました。
「VESPERBELLのヨミとカスカで~す!!」といういつもの挨拶に、観客は大歓声で応えましたが、ヨミとしてはまだ物足りなかったようで、「ちょっと寂しい。もう一回やって良い?」と再度挨拶を行い、会場はさらに大きな歓声に包まれました。
2人で簡単な自己紹介を行った後、ヨミは今回が初めての出演となった「NIGHT HIKE」のステージで観客全員に汗をかかせて会場を『合法サウナ』(?)とすることを宣言をしてくれました。
もちろんこの世に存在するサウナは基本的に合法であるため、おそらくここで敢えて「合法」という単語を付ける必要はなかったと思われます。
それ故に、発言したヨミ自身もワードチョイスに違和感を抱いた様子で、会場も小さなどよめきに包まれました。
そのような一幕があった後、2人はニューシングルの「NO MORE!! / WINGS」の受注中であることを告げ、カバー曲パートに突入しました。
カバー曲パートの1曲目として”完全感覚Dreamer”が紹介された瞬間、会場は非常に大きな歓声に包まれました。
VESPERBELLが投稿してきたカバー動画の中でも圧倒的な再生を誇る”完全感覚Dreamer”は原曲の知名度も非常に高いこともあり、サビでは「This is my own judgement!!」や「完全感覚Dreamer!」の部分ではヨミとカスカに合わせて客席からも歌声が上がり、会場は一気にサウナ並みの熱気が発生しました。
やはりカバー動画を投稿した本人のヨミによる煽り、そして力強い歌声が非常に強力でしたが、これにカスカの歌声が混ざることで生まれる力強い歌声が会場をひとつにしてみせました。
最高の盛り上がりの中で続けて歌った”ピースサイン”では、2人の歌声に合わせたJ-POPらしい軽快なクラップを中心とした盛り上がりとなりました。
ヨミとカスカも、前曲の”完全感覚Dreamer”と比較すると”ピースサイン”では煽りよりも歌唱に重点を置いたパフォーマンスとなり、2人の歌声とハモりのレベルの高さをじっくりと楽しむことができました。
”ピースサイン”で若干クールダウンした会場を再度熱気で包んだのは、”狂乱Hey kids!!”でした。
”狂乱Hey kids!!”は、これまでVESPERBELLが出演してきたクラブイベントの中でも歌われることが非常に多く、そして歌われれば会場を必ず盛り上げてきた楽曲です。
今回もその例に漏れず、数多くの観客がクラップや声だけでなく、ジャンプで盛り上がるシーンも見られました。
”狂乱Hey kids!!”は2025年3月末に投稿された比較的新しいカバー曲です。
それにも関わらず、2人の歌声、煽りを含めたパフォーマンスの完成度がカバーが投稿されてからの期間の短さに見合わないほどに高かったことも注目すべきポイントです。
これは、直近のクラブイベントでVESPERBELLがこの曲を何度も歌ってきた事も大きいはずですが、何よりもヨミとカスカ自身の気持ちが相当ノっていることが最大の要因であるように思います。
2人がノっている時ほど観客としても自然と楽しさが湧き上がってくるものであり、それに加えて2人の明確なリードや煽りによって「どこで声を出し、手を挙げるべきか」などが非常に分かりやすく、全力で楽しむことができました。
再度挟んだMCでは、残りの楽曲が3曲であること、そしてその3曲がいずれもオリジナル曲であることが語られました。
終盤のオリジナル曲パートの開幕を告げたのは、VESPERBELLの最初のオリジナル曲であり、2人にとっては「始まりの楽曲」とも言える”RISE”でした。
”RISE”では、Aメロ直前での恒例となっているヨミとカスカからの「手拍子!」の声に合わせて手拍子から沸き起こりました。
また、サビでの「もっともっともっともっと」などの部分を観客がヨミとカスカと一緒に歌う事も”RISE”では恒例となっていますが、ヨミからの「跳べ!」という声によって、この部分では高くジャンプしながら2人と一緒に歌うことができ、会場の盛り上がりがより高まったのを感じました。
続けて歌唱した”Bell Ringer”は、VESPERBELLがクラブイベントに出演する際には非常に高い確率でセットリストに含まれる定番曲です。
VESPERBELLを殆ど知らない観客も多かった今回のような外部イベントでは、サビ前の「I’m Bell Ringer!」で全員の声を揃えることこそ困難であるものの、全体的にノりやすい曲である”Bell Ringer”はまさにライブやフェスなどのイベントで会場を盛り上げるのに最適な曲です。
眼前の巨大なスクリーンに”Bell Ringer”のMVが迫力いっぱいに映し出される中で会場中に響くヨミとカスカの力強い歌声と爆音のサウンド。その中で特にラスサビでは「おい!おい!」と非常に大きな声を出しながら拳を振る観客が非常に多く、この瞬間にまたもやサウナの如き熱気が会場を包むのを感じました。
VESPERBELLの出番として最後を飾った”To The World”は、この日最大のサプライズと言っても過言ではありませんでした。
VESPERBELLのオリジナル曲の中では最もエモーショナルなバラード曲である”To The World”は、ナイトクラブでのVESPERBELLがパフォーマンスの主眼に置いている「ぶち上げる」という方向性から外れているように見えます。
確かに、この曲では客席から声が上がったり、クラップが沸き起こるシーンは一切存在しませんでした。
その一方で、直前までの楽曲でしっかり温まった観客の心をヨミとカスカの本気の歌声とハモりが包み込んだことで、2人の歌唱力の高さを観客の心に深く沁み入らせ、強烈な印象を残すことができました。
”To The World”の歌唱が終わり、「以上、VESPERBELLでした!ばいばい!」という2人からの言葉の後、大きな拍手と感謝の声に包まれながらVESPERBELLは「NIGHT HIKE」での出番を無事に完了しました。
終わりに
VESPERBELLが出演した「NIGHT HIKE」のライブレポートでした。
VESPERBELLがこれまで出演してきた外部イベントとしては過去最長となった45分間の出演枠の中で、2人は合計9曲を歌唱しました。
オリジナル曲とカバー曲を織り交ぜたセットリストは、間違いなく会場を熱狂の渦に巻き込むには最適な構成でした。
この選び抜かれたセットリストを携えたヨミとカスカのパフォーマンスも素晴らしく、会場を最高の熱気で包むことに成功しました。
このような「盛り上げ」もステージ上で必要なパフォーマンスであり、アーティストとしても非常に重要な要素であることは間違いありません。
そのうえで、歌声で勝負しているVESPERBELLが最後の曲として”To The World”を選択し、自分たちの歌声をしっかりと観客に届けてくれたことが個人的には非常に嬉しく感じられました。
歌声、喋り、そして盛り上げ。
これらの三拍子が綺麗に揃っており、まるでワンマンライブであるかのようにすら錯覚してしまうほどに濃密でレベルの高いパフォーマンスでした。
ozataro

コメント